Ken’s Secret Bass #5「氷上の低音進行」

Kenだ。
MCでの滑りなら、羽生選手にも負けない。

ということでさっそくだが、こちらの動画を見てほしい。
(どういうわけかサイト埋め込みが禁止されている動画のため、お手数だがYouTubeに飛んでもらえればと思う。)
https://www.youtube.com/watch?v=UnnxJuzaqss
すでにテレビなどで視聴した者も多いと思うが、平昌五輪のフィギュアスケート男子SP、羽生結弦選手の演技だ。

 

今回のテーマ

今回はこの羽生選手のプログラムで使われている楽曲、
ショパンの「バラード 第1番」を題材に、
主旋律低音進行との連携について考えてみよう。

事例その1

まずは動画の2:30~2:39の部分を聞いてみてほしい。
https://youtu.be/UnnxJuzaqss?t=150
この部分の低音セクションに耳を傾けてみよう。
少しずつ上昇していく低音の旋律が聞き取れるだろうか?

低音

低音だけ抽出して、ゆっくり弾くと以下のようになる。


このように、滑らかに上昇していく、音階的な低音進行となっている。
上記SPの動画の2:30~2:39の部分で、この低音ラインを聞き取ってみてほしい。

主旋律

続いて、同じ2:30~2:39の部分の主旋律を、すごーーーく簡略化してゆっくり弾いたものが
↓こちらである。

主旋律&低音

そして、上記の2つのラインを同時ゆっくり弾くと、↓このようになる。


SPの動画の2:30~2:39にもこの2つのラインが(速いテンポで)内在していることを確かめてほしい。

そして重要なのは、この主旋律低音進行という2つのラインが、
お互いに対照的相補的な性質を持ちながら連携しているということである。

楽譜

この「連携」について、楽譜を用いて考えてみよう。
↓これは、先ほど鍵盤動画で聞いてもらった主旋律と低音進行を採譜したものである。

(あくまで簡略化した状態の楽譜である。)

この楽譜の

  • 1~3小節に着目すると:

主旋律はゆっくり下降低音進行はゆっくり上昇と、お互いに逆行しながら滑らかに近づいている

  • 3~6小節に着目すると:

主旋律・低音進行とも、(お互い違うリズムと音形で)少しずつ一緒に上昇していっている。

  • 7~10小節に着目すると:

主旋律・低音進行ともに、それまでの上昇の流れはひと段落している。
お互いに近づきあったり離れたり、という動きを滑らかに繰り返している。

というように、
主旋律低音進行との間に、いくつかの共通する性質対照的な性質を見出すことができる。

このように、音楽の中においてしばしば主旋律と低音進行は密接な連携を取るのだ。

事例その2

もうひとつの例を見てみよう。

次も同じく、羽生選手のSPバラード第1番の動画より、
2:55~3:01の部分を聞いてみてほしい。
https://www.youtube.com/watch?v=UnnxJuzaqss&feature=youtu.be&t=175

低音

低音だけ抽出して、ゆっくり弾くと以下のようになる。


前半半音ずつ上がっていき、後半半音ずつ下がっていくという低音進行だ。

主旋律

続いて、同じ2:55~3:01の部分の主旋律をゆっくり弾くと以下のようになる。


ひたすら半音ずつ下がっていく旋律だ。

主旋律&低音

そして、これら2つのラインを同時にゆっくり弾くと、↓以下のようになる。


主旋律低音進行とが、前半はそれぞれ半音ずつ近づいていき、やがて合流し、後半一体となって下降している。

楽譜

楽譜にすると↓このような感じである。

SPの動画の2:55~3:01の部分を聞きながら、この主旋律低音との連携を確かめてほしい。

余談

羽生選手のSPでは、このバラード第1番はスケート用に短く編曲されている。
SPで使われている部分はもっぱら短調であるが、この短調の部分を仮に「テーマ1」と呼ぶならば、原曲中には長調の「テーマ2」もかなりのウェイトを占めて存在している。

原曲中では、短調の「テーマ1」と長調の「テーマ2」とが繊細かつ壮大に組み合わさっていて、なんというか、つまりその、とにかく聴きごたえがすさまじい(ボキャ貧)。

youtubeや各種ストリーミングサービスなどで簡単に聴けると思うので、ぜひこの機会にショパンのバラード第1番をフルで聴いてみてほしい。

静かな場所でじっくり聴くのがおすすめだ。

今回のまとめ

  • 音楽のなかで、しばしば主旋律低音進行とは密接な連携を取る。
  • 主旋律低音進行との間に、いくつかの共通する性質対照的な性質を見出すことができることがある。
  • 宇野昌磨選手がスマブラで本気になったとき使うキャラは「マリオ」。理由は「何にでも対策できるから」。トップアスリートの精神性が垣間見える気がする。




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