Ken’s Secret Bass #6「駆け出しベーシストであるお前たちの質問に答えようと思う。(前編)」

Kenだ。

春からアカペラを始めたお前達に向けて、ベースに関する質問に答えていく。
今回取り上げるのは以下4つの質問だ。

それではさっそく始めよう。

Q:ベースって低い声が出ないとできないの?

愚問だな。
キャッチャーってデブじゃないとできないの?」と聞くようなものだ。
お前に不可能なパートなどない。

低い声が出ることは武器にはなるが、出ないと困るものではない。
(ベースが超低いアカペラグループのカバーなどは難しいかもしれないが)

それほど低い音域を使わずに魅力的な演奏をするベーシストを何人も見たことがある。
大事なのは、「自分の音域に適している、魅力的な」ベースラインを奏でることだ。

そういう意味では、ベースラインの作りが重要と言える。
(じゃあ魅力的なベースラインって何?という話になるが、質問からそれる上にディープすぎるテーマなので次の機会に譲りたい。)

 

Q:うまいベーシスト・参考になるベーシストを教えて!

愚問だな。
「うまい飯屋を教えて!」と聞くようなものだ。

挙げればキリがないし、お前の好み次第だ。お前が探すのだ。

リアルでもネットでもいい、色々なアカペラを聴いて、様々なベース演奏に触れてみることだ。

たとえば、ハモニポンの至宝・のぶらすさん達が運営されている「あかぺら村」は、国内外の様々なアカペラグループの演奏が紹介されている神ブログである。
入り浸って、色々なアカペラを聴いてみるべし。

というか、アカペラ以外の形態も含め、様々な音楽のベースパートを聴いてみよう。
エレキベース、ウッドベース、チェロ、などなど…。

古今東西の多種多様な音楽ジャンル・演奏形態に共通する事項として、
最低音セクションはハーモニーやリズムの下地を作り、他パートを支えている
のだ。
アカペラのベースにおいても、低音楽器のサウンド・奏法・ムードを模した歌い方がされることがよくある。

ということで、色々な音楽の低音セクションに耳を傾けてみよう。
それ自体が新たな音楽ライフとの出会いになり単純に楽しいだろう。
ベーシスト以外にも勧めたい。

Q:ベースのシラブル(発音)ってどうすればいいの?使い分けは?

いい質問だ。
先の質問とかぶるが、色々なアカペラグループを聴いてみよう。
ベーシストごとのシラブルのスタイルやセンスがいかに多様かがわかるはずだ。正解は沢山ある。

ちなみにシラブルに迷ったときは、「そのベース音がその瞬間、バンド全体のアンサンブルの中で、どういう役割を担っているのか?」がヒントになりうる。

この音はバンド全体の中に溶け込んで馴染むべき音なのか?
それとも際立って目立たせたい音なのか?
それとも…などと考えることが、シラブルの判断の一助になりうる。

そういう意味では、「シラブルの選択」という単体のテーマが独立しているのではなく、
「シラブル」は、「発声」「強弱」「表情」といった歌い方の要素と共に、アンサンブルを形作る一手段だ
と考えることもできそうだ。

(質問内容から脱線してしまうが、アンサンブルの感覚を磨く手段として、ベーシストたちにどうしてもこの場で強く勧めたいことがある。それはコーラスをやってみることだ。練習中にメンバーとパートを交代して部分的にやってみるだけでもいい、少しずつでもコーラス経験を積み重ねてほしい。それがベース演奏にもたらす恩恵は絶大だ。)

上記はあくまでシラブルを考える上での一例であり、俺の個人的なアプローチのひとつである。
読んでいて難しく感じた場合は、ゴチャゴチャ考え込まずにひとまずスルーしていい。

シラブルはベーシストごとの個性が出やすい領域だ。
「このベースのシラブル、なんか素敵だな」と感じる曲たちを聴き込んでいけば、きっとお前自身のシラブル観が醸成されていくことだろう。

Q:リズム感が悪いんです。どんな練習をしたらいいですか?

茫洋(ぼうよう)としているが重要な質問だ。

「リズム感」には色々な側面がある。
また、「リズム感をみがく」ことは、ベーシストに限らず全パートに共通のテーマだと思う。

「リズム感が悪い」というのが具体的にどういう状態なのかによって、それぞれ適した練習は変わってくると思うが、今から俺がお前達全員に役立つ金言を放つ。
襟を正して聞くように。
それでは言う。

「リズム感 鍛える」とかググれば色々出てくるので、色々試してみろ。

以上。

で終わらせてしまうとクレームが懸念されるので、ここではリズムという広大なテーマから6つほどかいつまんでアプローチ例を挙げてみよう。

6つともベースに限らず全パートに向けたものだ。だが5つめと6つめは、ベースにとってはことさら肝になる内容だと思う。

それでは挙げていく。

  1. メトロノームを使って演奏する
  2. メトロノームのテンポを色々変えて演奏する
  3. 原曲を聴きながら演奏する
  4. 様々な音楽を聴いて、楽しくノってみる
  5. これらは鉄板ながらも、誰にでも有効な方法だろう。
    やればやるだけ得るものがあると思う。

    (なおメトロノームは、バンド練以上に個人練で各自が使うようにした方がいい。各々がメトロノームで歌いこんだ上でバンド練に臨めば、自然にバンド全体のリズムが安定するという理屈だ。バンド練習だけでリズムを整えようとするよりも遥かに効率がいいはずだ。)

     

    加えて、アカペラーならではのリズムトレーニングとして

  6. パーカスをやってみる
  7. を推す。
    ハードルが高いようでいて、その実かなりの近道だと思う。

    パーカス音がなかなか出せるようにならなければ「どんつくたっつどっかつくたかつーびしー」みたいな露骨な文字音でも構わない。
    もし笑うやつがいたら、そのまま流れで顔面に「でゅくしー」と叩き込め。

    お前のリズム感が向上するにつれて、文字音のままでもだんだんグルーヴィに聴かせられるようになっていくことだろう。
    ベーシストにとっては、パーカスを体感することでベースとパーカスとの連携への理解が深まるというメリットも見過ごせない。

     

    最後に挙げるのは、練習法というよりはスタンスになるが

  8. 呼吸を味方につける
  9. ということである。

    ブレスを、曲のリズムに自然に乗せることだ。

    当たり前だが人間の呼吸は「吸う⇔吐く」の繰り返しであり、この2つは切っても切り離せない。
    アカペラ演奏においては「ブレス⇔歌」といった感じになるだろう。

    このときブレスが自然な拍に乗っていないと、歌も自然なリズムに乗ることが難しくなる。
    逆に、ブレスが自然な拍に乗っていれば、その流れで自然に歌のリズムも乗せやすくなる。

    ブレスを、歌のリズムに利用するのだ。

    特に、アカペラのベースにおいては呼吸はとても重要なテーマだ。
    ブレスの制約がない他の低音楽器との違いが浮き彫りになる領域である。

    ベースラインの多くは元来「歌う」ためではなく「弾く」ようにできている。
    それをリズミカルに「歌う」には、ブレスのリズムをベースラインの中に無理なく自然に馴染ませることが必要だ。

    リズムについては今回は以上だ。

    改めて再確認するが、リズム練習についてはネットや書籍で色々調べることができる。
    使えそうな練習法を能動的に探して研究してみる
    ことが重要だろう。


    今回の質問は以上だ。
    ベースについて聞きたいことがあったら、Twitterのハモニポン公式アカウント(@hamonipon)あてに自由に質問を送ってくれ。

    もれなく回答もしくは黙殺させてもらう。




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